バリアフリー対応の旅館で温泉を楽しめる?

バリアフリー対応の旅館で温泉を楽しめる?

バリアフリー対応の旅館でも、温泉を利用できるとは限りません。館内の段差が少なくても、大浴場の入口や脱衣所、浴槽まわりに段差や手すりの不足がある場合があります。温泉を楽しみたい人は、宿泊施設の「バリアフリー対応」という表示だけで判断せず、入浴設備と介助の条件を予約前に確認しましょう。

バリアフリー対応の旅館で温泉を利用する方法

温泉を利用する方法には、一般の大浴場、貸切風呂、客室風呂などがあります。身体の状態や介助者の有無によって、利用しやすい設備は異なります。

利用方法 確認したい点 向いているケース
大浴場 浴場までの経路、入口の段差、手すり、洗い場のいす、浴槽のまたぎやすさ 一般の浴場を利用でき、必要な介助を受けられる場合
貸切風呂 予約の要否、利用時間、脱衣所から浴槽までの段差、介助者の入室可否 周囲を気にせず入浴したい場合や、家族の介助が必要な場合
客室風呂 浴室の広さ、浴槽の高さ、手すり、シャワーチェアの有無 移動距離を短くしたい場合や、共用浴場の利用が難しい場合

温泉を楽しめるか判断する確認ポイント

予約前には、次の項目を旅館へ具体的に確認してください。「バリアフリーですか」と聞くだけでは、入浴に必要な情報まで分からないことがあります。

  • 玄関から大浴場や貸切風呂まで、車いすや歩行器で移動できるか
  • 浴場の入口、脱衣所、洗い場、浴槽の周囲に段差があるか
  • 浴槽の出入りを助ける手すりや踏み台があるか
  • シャワーチェアや浴槽内いすを借りられるか
  • 車いすから浴室用いすへ移る場所を確保できるか
  • 貸切風呂を利用できるか、利用時間や予約方法に条件があるか
  • 介助者が脱衣所や浴場内まで付き添えるか
  • 入浴時に旅館スタッフの介助を受けられるか
  • 浴場の写真や段差の寸法を確認できるか

特に重要なのは、浴槽へ入る動作が自分または介助者でできるかです。入口にスロープがあっても、浴槽が深い、またぎが高い、手すりがないといった理由で入浴が難しいことがあります。

貸切風呂なら必ず利用できるわけではない

貸切風呂は、他の宿泊者を気にせず利用できる点が利点です。ただし、貸切であることと、段差がないことや車いすで利用できることは別の条件です。

貸切風呂を選ぶ場合は、浴場専用の車いすを使えるか、脱衣所から浴槽まで移動できるか、介助者が一緒に入れるかを確認しましょう。浴場内のスペースが狭いと、介助が必要な場合に利用しにくいこともあります。

予約時に伝える内容

旅館には、設備名だけでなく、必要な動作を伝えると確認がスムーズです。次の順番で問い合わせると、利用できる温泉の候補を判断しやすくなります。

  1. 車いす、杖、歩行器など、普段使っている補助具を伝える。
  2. 浴槽への移動やまたぎ、洗い場での立ち座りなど、難しい動作を伝える。
  3. 介助者がいるか、スタッフの介助が必要かを伝える。
  4. 大浴場、貸切風呂、客室風呂のうち、利用できる設備を確認する。
  5. 必要であれば、段差の高さや浴場の写真を確認する。

たとえば、「車いすを使用しています。浴槽へ移るときに手すりが必要です。家族が浴場内で介助できます。貸切風呂は利用できますか」と伝えると、旅館側も条件を確認しやすくなります。

温泉を利用できない場合に確認したい代替方法

大浴場や貸切風呂の利用が難しい場合でも、客室風呂や館内のシャワー設備を使えることがあります。ただし、客室風呂が温泉かどうか、温泉を客室へ供給しているかは旅館ごとに異なります。

客室風呂を希望する場合は、次の点を確認してください。

  • 客室風呂が温泉か、一般の湯か
  • 浴室まで車いすや歩行器で移動できるか
  • 浴槽の高さと浴室の広さ
  • 手すりやシャワーチェアの有無
  • 客室内のベッドから浴室までの移動条件

バリアフリー対応の旅館を選ぶときの注意点

「バリアフリールーム」「高齢者向け客室」「車いす対応」といった名称でも、温泉の利用条件まで同じとは限りません。客室が使いやすくても、大浴場までの経路や浴槽の設備は別に確認が必要です。

また、旅館が対応できる範囲は、スタッフの勤務時間、貸出備品の数、予約状況によって変わることがあります。必要な設備や介助については、予約時に口頭で確認し、可能であれば予約内容にも残しておくと安心です。

まとめ

バリアフリー対応の旅館でも、温泉を楽しめるかどうかは、浴場までの経路、浴槽の形状、手すりやいすの有無、介助者の付き添い条件によって決まります。特に貸切風呂は便利な選択肢ですが、バリアフリーとは限らないため、事前確認が必要です。

最初に、旅館へ「どの補助具を使うか」「どの動作に介助が必要か」「大浴場・貸切風呂・客室風呂のどれを希望するか」を伝え、入浴までの具体的な動線を確認しましょう。